みんなからの質問責めを曖昧に受け流して、やっと迎えた放課後。




噂はすでに学年中に広まっているみたいで、廊下を歩けばチラチラ見られるし、休み時間には違うクラスの友達までもが、入れ替わり、立ち替わりやって来た。



何で倉橋と噂になった位で、ここまで大変な事になるのよ?



はぁ〜。私は今日1日で3歳くらい年取った気分だよ・・・。





「おい、のろまっ!早くしろよっ!」



下駄箱にもたれてしゃがみ込んだ倉橋が、本当にムカつくくらいの鋭い目で、私を睨みつける。



「何でまだいんのよ・・・?」



なるべくみんなが帰った時間を見計らって教室を出た私。



廊下も下足室も、もうすでに数人の生徒の姿しかない。



「帰るぞ。」



既に下足室の前まで持って来られていた自転車に跨る倉橋の横を、朝同様に通り過ぎる。



「おい、お前いい加減にしろよ?」



アッサリ捕まる私の腕。




作戦開始!!




「倉橋、彼女に対してひどくない?もっと優しくしてくれてもいいじゃん!」



ちょっと拗ねた様な顔をして上目遣いで見上げてみた。



一瞬ひるんだ倉橋の顔。



私はすかさず倉橋の後ろに跨った。



「送ってくれるんでしょ?」




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