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朝の光がカーテン越しに部屋の中に注いでいる。

ちゅ、ちゅ、ちゅっ

ーーー朝チュンと呼ばれるような鳥の鳴き声のようなものじゃない。

「朝から何してるんですか、クリフ様」

私はガバッと起き上がると、私の身体にまとわりつき、頬にキスをしているクリフ様を両手でぐいぐいと押しのけようと力を入れた。

「やあ、おはよう。私の楓。君は意外と寝起きがいいんだねぇ」

「私の寝起きのいい悪いの話よりもどうして同じベッドで一緒に寝ているのか、という説明をお願いいたします」

クリフ様を引き離すことに成功して彼から距離を取りベッドの端に腰かけた。
自分が昨夜と柄違いのナイトドレスを着ていることにもギョッとして近くにあったガウンを羽織る。

「おやおや、楓はどこまで覚えているの」

クリフ様はあくびをしながら体を起こした。

「ええーっと。オリエッタさんとビエラさんたちといろいろな種類のお酒の味見をして、どれが危険でどれが美味しいかとか、どんな種類のがあるかとか・・・」

ああ、そういえば途中から記憶がない。
鱗のおかげで悪酔いはしないし、どのお酒も美味しく頂けたのだけれど。
いつの間に晩餐が終わったのだろう?

「楓、それはちゃんぽんで飲んだ、と楓の国では言わないかい?」

え。
ああー、ごもっともでございます。

「それにね、鱗は悪酔いには効くけれど、アルコール耐性を強化するようなそんな効果はないからね」

「えええ」