ドッドッドッと、心臓があらぬ音を立てて荒れ狂いだす。

落ち着いて、私。

そうだ、何か話題を…!

「あ、の。尾野くんは、なんで怪我したの…?」


不自然な私に、ふっと笑って。
その姿さえ、キュンときて。

「部活。走ってたらちょっとこけちゃって。こう、ズドーンと。

綿谷さんは、なんでここに?」


部活。そういえば尾野くんはサッカー部だったっけ。

そして私は同時に問いかけられたそれに、答えるかどうか迷っていた。