「ぅんん」

静かな部屋の中に、絡み合う水音だけが響き渡る。
甘えるような声と共に、人肌をもとめるようにまとわりつく腕。
ピッタリと離れることのない肌からは、彼女の体温が伝わってくる。


「明日は仕事?」
まだ興奮気味に頬を赤らめる彼女に声をかけた。

「うん。午前中は撮影があって、午後からはジムに行くわ」
「ふーん」
相変わらず忙しいらしい。

「哲翔は?」
「俺は、大学に寄ってからジムに行こうと思っている」
「そう、じゃあ会えるかもね」
「そうだな」

彼女と俺の残り香が混じったベッドルームで、俺たちはもう一度唇を重ねた。