プロローグ






「残念だったな。
そこはもう行き止まりだ。」




ついに追い詰めたその先。


必死に目の前の壁を昇ろうとしているが、
ここはそう簡単にいく高さじゃない。


しばらくトライするその姿を見つめながら、
あっという間に距離を詰める。



「さぁもう観念して大人しく縄につけ。」



出来れば手荒な真似はしたくない。


俺の呼びかけを理解したらしく、
ゆっくりとこちらを振り返った。



後ろは壁、前は俺。



「よし、じゃあ行こう。」


諦めがついたのか、
一歩ずつ俺に向かって歩を進め・・・


「・・・・・・・・なっ・・!?」













『神野くん・・?どうしました・・?
・・・・神野くん応答してください。
・・神野くん!!?』