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咲月side

めぐるくんと付き合って少し経ったある日

「おはよう、七香ちゃん」
「…咲月。あれ、」

親友の七香ちゃんが指差す方を見ると、黒板に写真が数枚はってあった。

「……なに、これ」

みんなが私を見ている。

貼られていたのは、私の写真。

登下校中、更衣室、部活、

あらゆる場面での私。

しかも、

「咲月って、西宮と付き合ってたの?」

めぐるくんとデートしてる時の写真まで。

急いで写真をはずして私は教室を飛び出した。

無我夢中で走る。
周りの目なんて気にならない。

だって、だって……

こんな写真に比べたら、今の私なんてどうってことないよ……

涙が溢れ、息が乱れる。苦しい。
でも足は止まらない。

このまま消えてしまいたい。