めぐるside

記憶喪失、だなんて。

そんなの嘘だ。

僕は逃げた。彼女から。

彼女を守るのではなく、自分を守った。

最低だ。


咲月は転校して、新しい学校に通っていると聞いた。

僕は無事退院し、遅れている分の勉強を頑張って、なんとか高校に進学することができた。


偶然にも、僕と彼女の進学先は同じだった。

自由制服だから、
咲月はこの高校を選んだのかな?