「ーーーー先生。」

返事なし。

「先生ってば!」


なんで反応無いの?
ニヤニヤ笑ってる。

「俺は今先生じゃない。
保健室の先生は、終わりだ。
つまり、下の名前で呼べよっ」


本当、意地悪な先生。


私をからかって、ばかり。

「意地悪過ぎです。
嫌いになりますよ?」

私だって負けないーーーー。


キッ、と睨み返すと、ニヤリ、と笑う。







「お前がいくら嫌って言っても、離してやらねーよ?
あの日から、お前に夢中だからなっ」


ーーーーずるい。


そんな、言い方。


私は食べ終わった食器を、キッチンにもって行き、洗い物を始めた。

その合間、先生がずっと見てる。

「なんですか?」


気になる。
あんまり見られていると。

「ーーーーなんか、新鮮。
結婚したら、こうなるんかな?
悪くないなっ」


結婚!?


驚いた顔の、私に先生はまたニヤリ、と笑った。







「お前は、一生俺から離れられねーよ?」





きっと、もう逃げられない。

先生の手の中だ。