先生にあたし達のことを告げ口した後も驚くぐらい薫子の態度に変化はなかった。

それどころかどこかさっぱりしたようにも思える。

毎日学校にも来ているし、朝は挨拶を交わし、学校のことで一言二言会話も交わす。

先生にチクったのが薫子ではないのかもしれない、と思わせるぐらい普段と同じ態度の薫子。

普通ならばあたし達に裏でどう思われているのか、何を言われているのか気になって仕方がないはずだ。

そもそも真正面からぶつかってくることなく、自分が優位に立てるように誰かに告げ口する行為はあまりよく思われないことの方が多いのだと誰かが言っていた。

今回だって正直、あたし達は薫子の行為に嫌悪感を抱いてしまった。

あたし達は意図的に薫子を仲間外れにしたわけではない。

それなのに、どうして……――。