ケータイ小説 野いちご

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夏と月とタトゥーの男




ジリジリとあつーい夏。私は実家の駄菓子屋の家業を継ぎ、店番をしていた。扇風機に当たりながら、帳簿の計算をしている。少ししてから、家の冷蔵庫から青いソーダアイスを食べた。これはガリガリしてなかなか美味い。


「カナねーちゃん!」


「ねーたん!」


どうやら近所のチビたちが訪れたようだ。暑い夏、ど田舎の田んぼ畑に囲まれたこの駄菓子屋は、近所の子供たちの遊び場である。きっと日向さんちのソラとカイリだ。ソラは7歳の小学生で、カイリは5歳の幼稚園児。二人とも男の子だ。


私が顔出すと、やはりソラとカイリがいたのだが、2人は見慣れない客人を連れてきていた。


身長180cm以上はありそうな、筋肉ムキムキの男。白いTシャツから出た両腕には、青いタトゥー。首にも少しある。ハーフパンツの足にも青いタトゥーがあって、顔は厳つい。


(おいおいヤクザかよ。チビたち何連れてきてんだ)


と思ったが、


「カナねーちゃん!こいつアレックス!外国人なんだって!」


「あれっくすつよそーだろ!」


「腕にぶら下がれるんだぜ!」


「カイリもやってもらったよー!」


パタパタと私のところに来た二人の頭を、わしゃわしゃと撫でる。


「おー!そうかそうか!遊んでもらったんだ!よかったな!外国人さん、ありがとうね」


ヤクザではないと分かると私も安心して彼に笑顔を向けた。彼は、


「町田アレックスです」


と、慣れないのであろう、ぎこちない日本式の会釈をした。ここらへんに外国人が来ていると聞いていたが、アジア系の人だとは知らなかった。







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