「もうすっかり冬だね。」

「そうだな。」

路地を歩きながら、私達は下校していた。

でも、私は最近彼に不満を抱えていた。

それは、付き合い初めて手をまだ繫いでいな

い事だ。

付き合ってて手を繫いでないとか、私女とし

て見られてるのかな…。

「どうした?そんか険しい顔して…。」

「え…!?なんもな…へっくしょん!」

私は、寒いせいかくしゃみが出てしまった。

「うー、今日に限ってマフラー忘れたよ

ー。」
 

「……。」

私は、手を揃え息を吹きかけようとした時、

彼は手を掴んだ。

「…!?…え!?」

私は、挙動不審に固まった。

「こうすれば寒くないだろ?」

「!?」

掴まれたその手は、一瞬に熱くなったような

感じになった。

少しヒリヒリして、でもそれ以上にドキド

キした。

手を伝って心臓の音聞こえないかなと不安で

仕方がなかった。

突然天然を発動させる彼氏に、私は溺愛して

るなんて死んでも言わないと心に誓ったので

あった。