錬金術師の女の子、ミリアン・カーバイドはふと秋の気配を感じた。

黄昏で染まる王都だ。

その景色は美しかった。たとえば東方王国の稠密(ちゅうみつ)なタペストリーの織物細工のような華厳(けごん)さを与えた。

それに気づくことが錬金術師というものなのだ、とミリアン・カーバイドは感じる。


夕焼け空のタペストリーだ。

誰が編むのか?
この偉大なる自然を。

それにミリアンは気づく。

女の子だ。