「ふーん、案外普通かも。」


私の感想だ。

何の?って思われるだろうが、私は今シャノワールに来てから初めて外を歩いている。


「リン様、普通とは?」

「私が知ってる街並みと変わらないと思って。」


そうなのだ。

私が生きてきた時代と変わらないのだ。


「そうですか。なら、リン様はすぐ慣れますね。」

「だといいけど。」


私と並んで歩くのはレアード家の執事であるダヴィだ。

ロイに一人歩きは危険だと言われ、ダヴィが一緒に来てくれたのだ。

人目をひくダヴィに注目されているのが伝わる。


「アレ………ダヴィ様よ。」

「隣の人は?誰なの?」


そんな噂話が聞こえてくるが無視だ。

日本にいた時からオッドアイの私は注目の的だったからだ。