甘い匂いが喉を撫でる。

男の唇は、冷たいのに、急激に熱を帯びていく。

まるで尖った氷が口のなかへ入ってきて、瞬時に溶けてしまうように……。

「…ハ…ァ…あ…ン」

唇だけじゃない。

体全体が熱を帯びたように熱い…!

でも、溶けてしまいそうに、気持ちがよくて。

最初は探るようだった男の舌も、わたしが受け入れたのを認めると。

一気にその唇でわたしの唇を大きく開かせ、「クチュ…」という音を鳴らし、

奥へ奥へと男の果実を這わせた。



これは……キスなの……?


まともな息ができない。

呼吸は荒く、深海から空気を求めるようにわたしの両腕は宙を彷徨っていた。

男はわたしの全てを吸い尽くすほどの勢いで、エロティックな音を鳴らしながら、

さらにわたしに体重を預けると、片手でわたしのワンピースの肩をはだけさせた。