【???side】

白い遺体を持ち帰った。

魔族であれば誰もが憧れる不死。その研究をするために。

横抱きにした遺体は小さく、胸元は赤く染まっている。徐々に消えつつある体温から、きっと死後一時間も立っていないんだろうな、とぼんやりと予測した。


***


重々しい扉を開ければ、ひんやりとした感覚に身を包まれた。

この部屋は他の部屋よりも寒い。だから遺体の腐敗を少しでも遅くできるのだ。


「………かわいそうに」

思ってもないことを取り敢えず口にした。

広くて冷たい、生活感のまったくない部屋にその小さな少女はとてもいじらしく見えた。