ケータイ小説 野いちご

破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

第二幕
🍱みんなで作ろう、春の愛情弁当

ザックが部屋を出て行ってから一時間後。


「ほんっとにザックってばデリカシーがないんだから」


着替えて支度を済ませたアーシェリアスは、シーゾーに見守られながらホロ馬車で調理していた。

シーゾーが海苔をくれたので、おにぎりを作ることにしたのだ。

しかし、おにぎりだけでは味気ない。

ノアという仲間が増えたことと行き先が洞窟ということで、せっかくだからしっかり栄養を取って元気になれるお弁当を作ろうと考え、昨夜の酒場で再び材料を仕入れてきた。

そして現在、甘い卵焼きを焼いている。

ファーレンにはお弁当という言葉はない。

ピクニックでは「ランチ」を食べようと言って、籠を開けるとサンドイッチやスコーン、マフィンに果物などが入っている。

ザックもノアも、アーシェリアスが少し変わった料理を作るのは承知しているが、日本のお弁当というものはまだ披露したことはなかった。


(もう春だし、花を意識したお弁当にしてみようかな)

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