「このゲーム面白いからやってみて!!私のオススメ!!」


と友達に半ば強制的にゲームを借りた。学校からの帰宅後、ゴロンッとベッドに寝転びゲームのパッケージを天井にかざした。


『新撰組のゲームね』


新撰組がメインになっている乙女ゲーム。夜取鈴(やとり すず)は強制的に自分に貸し出した友達を頭に思い浮かべながらパッケージからカセットを取り出した。


『そんなに面白いのかね』


パッケージには、「モノノ怪恋奇談」と書いてある。友達の興奮度からかなり面白かったと推測できるので、少し楽しみでもある。


鈴は、ゲーム機の電源を入れた。ハマッたら徹夜とかしそうだなぁと暢気な事を考えていると、ゲーム機がバチバチッと不吉な音を立て始めた。


『え??壊れた!?マジか』


ジジジッと無機質な音を立てていたゲームが、パッと一瞬のうちに明るく光った。その光に、鈴は目をくらませた。


まぶしさは目が開けれないほどで、目を閉じていてもその明るさを感じる。なんだこれ発火現象とは少し違うけどマズイよね!?!?と内心恐怖と焦りが交じり合う。


まぶしい光は数分間続き、やっと目を開けれようになった鈴は恐る恐る目を開いた。


強い光を見た後のせいで、目の前が良く見えない。パチパチと瞬きをしたりして、段々と慣れ始めた視界が一番に移したのは、古びた神社の境内だった。


『……はぁ??』


驚きのあまり、素っ頓狂な声が出た。そんな鈴の頬を柔らかな風がなでる。感覚はある、夢ではないのかと頬をつねるとしっかりとした痛みを感じた。