「もう…ここの園では続けられません。退職させて下さい。」

事務所の空気が凍りつく。今にも飛びかかってきそうな、怒りに満ちた表情で園長が睨みつけてくる。
静まり返った一室に2人、沈黙に耐えかね、こちらが言葉を発しようとした時、園長が溜息をつき、口を開いた。

「あんたねぇ…辞められるとか本当に思ってる訳?ねぇ、子ども達はどうなるの?自分の事しか考えてないわよね?クラスの子ども達、一緒に組んでる先生達の事、考えたの?」

子ども達をまるで人質のように使われ、今まで何度も何度も耐えてきた…
でも、もう我慢の限界をとうに超えていた。

丸山るみは鞄から封筒を取り出すと園長の前に突き出した。