歌が好き。
ダンスも好き。
光輝くステージから見る観客席の、色とりどりに揺れるライトが好き。
誰よりも何よりも頂点に立ちたいという夢と野望のために、隣にいる兄と共に今日も全力で歌って踊っていると演出で天井から小さな風船がたくさん降ってくる。
綺麗ーー
目を細めて降ってくる風船を仰ぎ見ながら一歩踏み出したその時……。
ズルッ!
「「あ」」
取り付けられていたヘッドセットマイクが思わず漏れた二人の声を拾った。
やってしまったと思ったときにはもう遅く、風船を踏んで滑った勢いそのままにバランスを崩した体はハデに尻餅をついてしまった。
大丈夫ー?
気をつけてー!
頑張れー!
観客席から笑い混じりの心配と応援の声が聞こえ、大丈夫!と言わんばかりに立ち上がって手を振ると、みんなから拍手をもらった。
ふと視線を感じ隣を見てみると、目を細めてじとっとこちらを見ている兄がいて口がゆっくり動いた。
“バカ”
マイクが声を拾わないように口パクで言われた言葉にえへっと誤魔化すように笑った。
ダンスも好き。
光輝くステージから見る観客席の、色とりどりに揺れるライトが好き。
誰よりも何よりも頂点に立ちたいという夢と野望のために、隣にいる兄と共に今日も全力で歌って踊っていると演出で天井から小さな風船がたくさん降ってくる。
綺麗ーー
目を細めて降ってくる風船を仰ぎ見ながら一歩踏み出したその時……。
ズルッ!
「「あ」」
取り付けられていたヘッドセットマイクが思わず漏れた二人の声を拾った。
やってしまったと思ったときにはもう遅く、風船を踏んで滑った勢いそのままにバランスを崩した体はハデに尻餅をついてしまった。
大丈夫ー?
気をつけてー!
頑張れー!
観客席から笑い混じりの心配と応援の声が聞こえ、大丈夫!と言わんばかりに立ち上がって手を振ると、みんなから拍手をもらった。
ふと視線を感じ隣を見てみると、目を細めてじとっとこちらを見ている兄がいて口がゆっくり動いた。
“バカ”
マイクが声を拾わないように口パクで言われた言葉にえへっと誤魔化すように笑った。