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「瑠花ちゃん、ほんとに心配したよ~。何事もなくてよかったあ」

夕方の6時頃、美月ちゃんが私の部屋にやって来た。




「心配させてごめんね」

「結局友達の家に泊ったんだね~。校則違反だけど、たまにはそういうのも楽しいよねっ」



美月ちゃんが笑うと、周りの空気がふわっと明るくなる。

顔が可愛いのはもちろんだけど、雰囲気も柔らかくて、花のような笑顔とはまさにこのことだなあって、いつも思うんだ。


響平が助けてくれなかったら今ごろどうなってたかわからないけど、無事にここにいるわけだから、嘘をつくのもこれで最後だ。



「てゆーか、私も暗黒街行ってみたかったなあ~! あのとき熱さえ出なければなあ……」

「えっ?」

「だって、昼間は安全だって聞くじゃん? 瑠花ちゃんは夜に行ったけど、なんにもなかったんでしょ? 周りが過剰に禁止してるだけで、本当はそんなに危ない街じゃないってことだよね……!」