「俺はお前のこと知りたい」


本当はそんなこと思ってないくせに。


「軽いのが嫌なら、できるだけコイビトっぽくしてやる」


なにそれ、と思う。

私の言いたいこと、全然伝わってない。



でも響平がそのつもりなら、もう、そういうことでいいと思ってしまった。

何もわからない私なんて、慣れてる響平からしてみれば、めんどくさいこと極まりないだろうに……。



「力抜け。……そう、体は俺にぜんぶ預けていい」

「っ、ぅ……」



太ももをなぞっていた手が内側に入ってきた。

下着に触れないぎりぎりのラインを、反応を確かめるように行ったり来たりする。

そこにじっと意識を集中させていたら、いじわるなことに不意をついて、反対の手が胸元に添えられた。



「んっ。や……ぁ」


同時に触れられると、どっちに気持ちを集中していいかわからなくなる。

それでも決して強くは触れない手に、言いようのないもどかしさが募った。