ケータイ小説 野いちご

ねえ、明日自転車貸してよ。


プロローグ

ついに、私はここにいる。

後悔するかもしれない。

それでも「自分が出来ることはすべてやる」と決めた8月のあの日から、私の気持ちは何ひとつ変わっていない。

振り返ってみると、キラキラした宝石のような思い出がたくさん出来た。

私は土曜日のあの時間が大好きだった。

駅までの道も、
一緒に行った近所のスーパーマーケットも、
乗れない自転車も、
何もかもが。

だから私はあなたにありがとうを伝えたい。
それと同時にこの時間があと少しで終わってしまうかもしれないという事実が悲しくて仕方がない。

だけど、これは終わらせるための決断じゃない。
これからも一緒にいるための決断なんだ。
だから明日、あなたに伝えにいくよ。
私の気持ちを。
でも今はまだ、このひと言しか言えないんだ。
「ねえ、明日自転車貸してよ。」

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