チョコレートを食べ終わり、公園の自販機で買ったお茶で甘くなった口の中を潤して、私は須永家へ向かう。

いつ、どんなタイミングで、なんて切り出そうか。

あれから希夜くんとはまともに話してないし、そもそも、どっちつかずな私の態度にまだ怒ってるはず。

そりゃそうだ。
あれだけ私のために手伝ってくれていたのに、希夜くんには二見くんが宿泊研修に来てること、黙ったままだったもん。

まずは、ちゃんと謝らなきゃ。
そして、感謝してることを伝えて、それ以上のことも。

頭の中でいろんなシチュエーションを考えながら希夜くんに何をいうかをイメージして。

公園から少し歩くと大通りに出てその道をまっすぐ歩いている時だった。

「あれ……あれって……」

向かいの道を、希夜くんらしき後ろ姿が歩いているのが見えた。

私の学校と同じ制服にスラッと高い身長。

好きな人の背中なんて、間違えるわけがはない。