私には家族と同じくらい大好きで大事な親友がいる


中学時代からの親友、佐原りか


中学一年の時に同じクラスになって、もちろん、最初から親友だった訳じゃない

寧ろ、私はこんな感じだし
りかは可愛くて明るくて友達も沢山いてクラスの人気者だった
りかを悪く言うような子はいてなくて
私は何故か女子には嫌われていて、元々みんなでつるんだりする事は無かったから一人が多かった


どちらかと言うと正反対


一生関わることのなかったかも知れない


きっかけは何だったか
弟の翼がりかを連れてきたんだ


小学生で低学年だった翼は友達の家に遊びに行った帰りに迷子になった
当時、携帯なんて持ってなかったし
私たちも翼が迷子になってるなんて知らなかった


たまたま、通りかかったりかが声を掛けてくれたらしい
翼は帰れなくて、不安できっと泣きそうな顔してたんだろう

住所なんてまだ、言えるはずなくて
家の近くの目印になるものをいくつか伝えて
一緒に探してくれたらしい


「姫野翼くんって言うから、もしかしてって思ってたの」


翼と一緒に帰って来たりかに驚いているとそう言って笑った

もう道がわかりそうな所まで来て、りかが帰ろうかと思ったらしいが翼が家までしつこく誘った様だった


知らない子をわざわざ家まで連れてきてくれるなんてお人好しだなと思いながら
元来の天の邪鬼な自分が顔を出した