ケータイ小説 野いちご

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未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。

前に進もう

それから八カ月と少し。

高校の入学式当日は、晴天だった。


残念ながら桜はほぼ散ったあとだったが、私は新たな一歩を踏み出せることにちょっとした希望を抱いていた。

高校の制服は、中学のセーラー服とは違いブレザー。
えんじを基調としたチェックのリボンがおしゃれで、結構気に入っている。


「梢、そろそろ行こうか」
「うん」


今日は父まで仕事を休んで式に出席するという。

家から電車を乗り継いで四十分。
登校の負担は増え、同じ中学出身の人は少ない。

しかし、私は期待に胸を膨らませていた。


新しく始めるんだ。


昇降口の前に張り出されている名簿から、自分の名前を探す。

一学年十一クラスもあるので、大勢にもみくちゃにされながら探すだけで大変だ。


「さ、し……」


五十音の順で並ぶ名簿のさ行あたりを必死に探していくと、E組に発見した。

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