美蓮side


「ちゃんとご飯食べて寝るんだよ」

「やだ」

「やだじゃないの」

「美蓮も一緒に食べよ?」


わたしの前で駄々をこねているのは、幼なじみの広瀬優飛(ひろせゆうひ)

マンションの部屋が隣で、小さな頃からの付き合い。

ユウはわがままな男の子で自分勝手。

そのくせ、容姿は誰が見てもカッコイイというほどの整いようだ。


「わたしは帰るの」

「んじゃあ、食べない」

「だからそれはダメだって」


ここ最近、ユウは夜ご飯を抜いている。

理由はただ一つ、めんどくさいからだ。

彼はめんどくさいことは基本スルーしたがる。


「美蓮が一緒に食べてくれたら食べる」

「はぁ、なんでそうなるの」

「いいじゃん。そっちのほうが」


ユウは自分の都合のいいように考える。

でも、相手のことをちゃんと考えているからなんにも言えない。