スマホ画面に現れたウサギは可愛らしく、話しかけるよ反応してくれるようになっていた。


「登録とか、別にいらないじゃん」


あたしはホッとして呟いた。


ダウンロード後すぐにアプリの利用説明が出ただけで、登録画面は出てこない。


「これ、きっと学習機能があるんだよ」


そう言ったのは美世だった。


美世のスマホにもすでにウサギがダウンロードされている。


「そうなの?」


「うん。会話をしながら覚えて行く、AIなんじゃいかな?」


なるほど。


それなら勝手に覚えていってくれるから、こっちが手間取る必要もないみたいだ。


「へぇ、これなら便利だね」


さっきまで感心が薄そうだった佑里香も、同じようにダウンロードしてそう言った。


使うかどうかは別として、スマホに入れておいても損はなさそうだ。