体育祭も無事に終わり、暑さがどんどん増していく中クラスでは9月の文化祭と合唱コンクールの準備が進んでいた。

私たちのクラスは文化祭でシューティングゲームのアトラクションを運営する事が決まっていた。

合唱コンクールでは少し難易度の高い曲を演奏することが決まっていて、私はそのクラス係だった。

今日は初めてのクラス練習がある。

私は中学校で合唱部に所属していたので、その経験を生かし、みんなにアドバイスをしていた。

最初は上から目線だとか思われてウザがられると思っていたけど、みんな快く私の意見を受け入れてくれた。

でも、ちはるは違った。

私が意見を言う度にまやとゆかにコソコソと何かを言っていた。

最初は気にしないようにスルーしていた。でも、あまりにも何回も同じことを繰り返すので、平常心を心がけつつこう言った。

「ちはる、何か気になる事ある?あったら合唱を良くする為にもみんなに意見を言って貰いたいなと思ってるんだけど。」

するとちはるは、

「いや、別に何も無いけど。うち、全然合唱のこととか分かんないから。」

下を向きながらこう言った。

(じゃあ、コソコソ何か言ってんじゃねーよ。)

と、私は心の中で叫んだ。

感情が顔に出やすい私は、イライラしながらも、どうにか表情に出さないように練習を進め、無事終わらせた。

それからというもの、ちはるの行動が全てイヤミに見えてきた。

チラチラこっちを見ながらまやとゆかと話をしたり
あえて私が分からないような話をしたり。
とにかく、一緒にいるのが嫌になっていた。

でも、文化祭の準備や合唱コンクールの練習が忙しく学校に行きたくないと言える状況ではなかったので、家では何も無いかのように過ごしいやいや学校に行っていた。

学校ではほとんどの休み時間を1人で過ごし、お昼ご飯は4人で食べ、教室移動の時は少し距離を取りつつちはると行動した。ほとんど会話は無いけど。

どうにか順調に準備と練習は進み、夏休みに突入した。

夏休みにも準備や練習の時間があるため、夏休み中も学校に行く。

相変わらずちはるは合唱コンクールの練習中コソコソと何か言っている。

でも、私は自分なりにクラスに貢献しようと真面目に取り組んでいるつもりだったのでそんな事を気にする暇はなかった。

夏休みをエンジョイしつつ、学校でストレスを感じながら熱心に準備と練習を進めているとあっという間に8月になっていた。