「バカじゃないのーー?

あんたは、そんな人じゃーーーーなかった。
なんでっ」


やだ、怖いーーーー。

あたしが持っていたハサミが、今は真っ赤な血を吸った様に赤く染まる。



「ーーーーあげ、はごめんな。
好きだよーーっ」


なんでーーーー?

どうせなら、最後まで悪い奴なら良かったのに。










「あげは!!」





急に呼ばれたその声は会いたかった人。



振り向いたら、やっぱり龍でーーーー。
暗い室内に、灯りが灯って龍が中の異変に気付いた。



ここーー。


手術室ーーーー?

今は誰もいない。
使われてない手術室。


「あげは、何があった?
こいつはーーーーっ。」


そうだよ、紅牙の総長。
憎くて憎くて仕方なかった相手。


だけどーーーー。




「お願い龍。


アイツを助けてーーーーっ。」





自分でも、びっくりしてる。



憎かったアイツを、助けたいなんて思うなんて。