ケータイ小説 野いちご

年下の生意気な奴に懐かれました。

〈1〉生意気な後輩。


後輩が入学してから早いことに、すでに半年が過ぎたある日、事件は起きた。


「ねぇ、聞いてる?」

目の前にいる彼の上履きが赤色ということから分かることは、わたしよりも一つ下の後輩ということ。

それなのにタメ口で、そしてなぜか両手で壁ドンをされて身動きを封じられている。

どうしてこうなったのか記憶を辿ってみてもさっぱりで、この場をどう切り抜けたらいいのか方法が見当たらない。

「先輩。聞いてる?」

「えっ、と……」

『だから何が』と言ってしまいたいのに、無駄に身長の高い彼を見ると萎縮してしまう自分がいて口籠ってしまう。

後輩であるはずなのに、どう考えても態度のデカい生意気そうな彼は、後輩としての可愛さの欠片を微塵も感じない。


自分が勝手にイメージしていた後輩とは、かなりかなりかけ離れていて、どうしたらこんなに育つんだろうと不思議に思ってしまうくらい目の前の彼は生意気すぎる。

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