私の家は洋菓子店を両親が営んでいる。

小さい頃は、家業が大嫌いだった。

クリスマスはなんといっても一年で一番の稼ぎどき。

両親は忙しくて、クリスマスは五つ上の兄と二人で過ごして寂しかった。

「あおちゃん。」

小学校にあがるまで、私をそう呼ぶ隣の家に同い年のとっても可愛い女の子が住んでいた。

彼女の名前は"こっちゃん"、フルネームは覚えていない。

私と兄はこっちゃんの家で毎年こっちゃん一家と一緒にクリスマスを過ごしていた。

こっちゃんのお父さんが事故で亡くなり、
こっちゃん一家が引っ越すまで…。小学校に上がる前に引っ越していったお隣のこっちゃん。

しばらく、私たちは文通していたっけ。

晒名に「あおちゃん。」と呼ばれて忘れていた懐かしいこっちゃんの夢をみた。

元気にしてるかな。

すごく可愛い女の子に成長しているんだろうなぁ。