上半身裸の一月君に抱き締められて、もう真夜中の2時をまわった。


しっかりと抱き締められて身動きもとれないし。


私まで変な気分になってくる!


「ダメダメ!
なにか別のことを考えよう」


そう思って、
私はお昼の出来事に意識を飛ばした。


そういえば、あんまり一月君について知らないことに気づいた私は、愛子ちゃんを屋上に呼び出して一月君のことを訊いた。


志芳ちゃんを呼び出さなかったのは、志芳ちゃんは一月君の話をすると、顔をそらしてあからさまに嫌な雰囲気を出すからだ。


「黒澤一月? あぁ、冷徹王子ね! 愛子、知ってる! 中学も同じだったし!」


「それで、どんな人なの?」