☆☆☆ 出発まであと5分。 これで日本ともお別れだ。 「希望、そろそろ行こう」 「うん…」 そう言いつつ、足が動こうとしない。 一月君に何も言わずにお別れしたのが、やっぱり心残りだ。 けれど、それをしたら私の決意も揺らいでしまう。 そのとき、 「希望!」 一月君の声がした。 「うそ!」 見ると、私の方に一月君が走ってきた。