居場所もなく、夜の町をさ迷う。


じょじょに黒い感情が込み上げてくる。


なんで私ばっかり、
こんなに不幸なんだろう?


家には当分帰りたくない。


あそこは私の“居場所”じゃない。


お母さんは暴力を振るうし、しかも毎日、知らない男の人が出入りする。


さっきの男の人だって、私を襲う気でいた。


『ただいま』と言って帰っても、あの家に私を受け入れてくれる人も、安全な居場所もない。


いっそこのまま……
居場所を失くしたまま死のうかな?


その方が楽に思えた。


そのとき、一件のコンビニが目にはいる。


……グルルル。


こんなときでも、お腹は空くもんだ。


「なんか買って食べよう…」