ケータイ小説 野いちご

いつか家族になる日〜嫁の再就職〜

嫁のバイト先ー嫁目線ー

「高樹さん、ほんとヤバイです!
あの人ホントにイケメンです。
今初めて笑顔見せてくれたんですけど、もうヤバいくらい素敵でした!」

デザート追加と言って戻ってきた沙奈江ちゃんが、また奥のボックス席のお客さんに興奮している。

「30代前半ですかねー。
ただ、残念ながらあの人既婚者ですよ。
左手薬指に指輪してましたから」

目敏い沙奈江ちゃんがさもガッカリしたようにこぼしているけど…。


間違いない。

あの奥のボックス席の客は私の夫、壮くんだ。


壮くん…、一体何してるの?

だって今日平日だよ?

会社休みじゃないよね?


「デザート…、私持ってっていい?」

沙奈江ちゃんにそう言うと、彼女は
「え、ずるーい。
やっぱり高樹さんもイケメン好きですかー?」
なんて甚だしい勘違いをされた。


夫だってバレるのは恥ずかしいけど、職場に夫が来たのに挨拶もさせずに帰すのはもっと恥ずかしい。

壮くんだって、そんな覚悟があって来ているんだろうから。

< 32/ 47 >