「私!?……あ、すいません……」

翌日、朝食の席でヴェネディクトから言いづらそうに相談された時、グレースは気が動転し過ぎて、お茶を注いでくれていた執事がビクリと体を跳ねさせる程の素っ頓狂な声を上げてしまった。
どうも最近、レディにあるまじき大きな声を出してしまう事が多過ぎる。自戒のため息を吐き出してから、改めてヴェネディクトを見た。

「どこをどうしたら私が一緒にイーディス嬢のお茶会に行くって話になるの?招待されたのはヴェネディクトだけなのに、非常識だわ」

「それは大丈夫だよ。今から招待を受けるって返事を出すから、その時にグレースの事も書いておくし」

「そうじゃなくて……だってイーディス嬢はヴェネディクトだけを招待したのよ。意味は分かっているんでしょう?」