キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り担任の先生が教室に入ってくる。

「えー、このクラスの担任になる田代だ。
今日からよろしくな。」

ジャージ姿で体育会系な見た目の田代先生が
私たちのクラスの担任になる。

それから自己紹介や委員会決めなどがあり、
落ち着いたころ。

「早速だが、5月に行う勉強合宿のグループ決めを今から行う。
4人1組でグループを作ってくれ。」

ざわつく教室。

まだ名前と顔も覚えられていない中
私は美咲に駆け寄った。

「美咲と居れば安心だよ!
あと2人どうしよう…?」

教室を見回すと2人グループの女の子たちと
目が合った。

穏やかで優しそうな雰囲気の2人だ。
仲良くなれそう!

『よし!あの子たちと!』

そう思い、声をかけようとした瞬間…。

「白石さーん!高田さーん!
同じグループになろっ!」

教室にひとりの男子の声が響き渡る。

声の主を探すと…。

岡田くんがこっちに手を振り、
駆け寄ってきた。

クラスの視線が私たちに集まる。

「ごめん!私たちはあの子たちと…」

楽しい高校生活を送るため目立ってはいけない。

ましてや昔から女の子たちにモテる
田島くんと岡田くんと
同じグループになんてなったら…

想像しただけで恐ろしい。

私が必死で断ろうとしていると

「俺ら小中一緒だし。
ほら、田島もいるし。
田島のお願いなら白石さんも断れないでしょ?」

岡田くんが無邪気な笑顔で笑う。

そんな岡田くんの後ろに目をやると

田島くんがゆっくり近づいて来る。

こんなに至近距離で見るのは
あのとき以来だ。

高い身長で整った顔立ちに
思わずドキドキする。

「そうだね!
田島くんはあいの命の恩人だもんね!」

後押しするように美咲が言う。

『なんで美咲まで!』

「でも…」

必死に理由を探して
断ろうとする私を遮るように

「先生!ここ決まりで!」

岡田くんが大きく手を上げ強引に決めてしまった


入学早々から大変な状況になってしまった…。

『これからどうなっちゃうんだろう…。』

不安ばかりが募っていく。