ケータイ小説 野いちご

身代わり令嬢に終わらない口づけを

第四章 一輪の贈り物

「奥様、申し訳ございませんが、急いでお支度を」

 次の日の午後、別のメイドに呼ばれて部屋を出て行ったソフィーが、慌てた様子で戻ってきた。


「何かあったの?」

「はい、旦那様……公爵様が奥様をお呼びでございます」

「公爵様が? お戻りになられたのですか?」

 ソフィーが慌ただしい理由を知って、ローズもソファから立ち上がる。

「今日の昼にはお戻りになられていたようです」

「わかりました。公爵様はどちらに?」

「本館の、ご自分の書斎でお待ちになっておられます」

 それを聞いて、ローズは眉をひそめた。

 本館には、結婚式に招待された親類などが滞在しているはずだ。できれば、あまり顔を合わせたくはない

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