詩優side




無事に赤点をとらずにテストが終わって、夏休みに突入したある日。




俺にはとある手紙が送られてきた。




手紙の内容は簡単に言えばこう。




"奏太と壮は黒烏のメンバーだ"





黒烏……
この族の名前は聞いたことあるくらいだ。





封筒の中にはご丁寧に写真まで添えられている。奏太と壮が嬉しそうに雷龍ではない倉庫にいて、雷龍ではないメンバーと話しているところの写真。





あいつらの子どもっぽい笑顔。特に奏太。俺の前ではこんな顔しねぇくせに…





もともと奏太と壮は昔何かあった、というのには薄々気づいていた。初めて会った時は族を毛嫌いしていたし…





詳しく聞いたことなんて無かったけど…





知りたくなかったわけじゃない。無理矢理聞くわけにもいかないと思ったから。それにあいつが話したくないのであれば聞かない方がいいと思った。