「バイトしたい」

「だめ」



思い切って詩優に言ってみたらすぐにダメだと言われてしまった私。




「どうして?」

「危ないから」



「…もちろん危なくない仕事にする」

「だめ」




少々過保護ではないだろうか…



「…だって…ここの部屋代だって詩優の家族の人が払ってくれてるんでしょ……?だったら私だって働いてお金払わないと…」

「気にすんな」



頬に手を添えて私の唇にキスを落とす詩優。




っていうか……思った事が1つ。
私は詩優の家のことを1度も聞いたことがない。



…話に出てきたことも1度もない。




「…ねぇ、詩優の家族構成は…?」

「父、母、姉、兄、俺」




……まさかの弟!!




「…何で一人暮らしを?」

「………家が嫌いだから」




そう答えた詩優はどこか悲しそうな表情。




「この話終わりな」




強制終了させられて、この後は何も言えなかった……