異常なくらい体が熱い。




目が覚めると見たこともないピンクの天井が視界に映った。背中には柔らかい感触、たぶんベットの上にいる。



体を動かそうとしても動かなくて、目だけを動かして周りを見る。



壁もピンクで、すごく可愛らしい部屋…



だけどこの部屋の中にいる人物を見て私はここに来る前のことを思い出した。




八王子くんに無理矢理水のようなものを飲まされて、気を失ったんだ…



八王子くんを見ていたら、見ていたのがバレて目が合った。



「やぁ、おはよう。妃芽乃さん」



にこにこと笑う八王子くん。この人が鳳凰だなんて信じたくない。




「…ここ…どこ…?」



「ラブホテルだよ」



淡々と答えられて、思わずそうなんだと思ってしまったけど…それってかなりピンチかもしれない。



私は体が動かない。つまり…八王子くんに何かをされても抵抗できないんだ。




八王子くんが1歩ずつ、私に近づく。




「…来ないで…」



「えー?それは無理かなぁ」



私がそう言っても無意味で、八王子くんは止まることなく私のすぐ近くまで来てからベットの上に座った。




怖くて、体が震えだした。