詩優side


花莉と一緒に暮らすまでは、俺は毎日夜遊びしてた。雷龍のメンバーと夜中に外をうろうろしてゲーセンに行ったり、メンバーの家に泊まったり。


でも花莉と暮らすようになって、夜遊びはしなくなった。それは何より花莉と一緒にいる時間の方が大切にしたいから。


あいつが俺のそばからいなくなって、また夜遊びを始めた。たまたまこの日も雷龍のやつらと外にいたんだ。


そんな時、車に乗っている一人の女の子が見えた。しかも運転席にいるのはにやにやした気持ち悪いおっさん。


「…ごめん。俺ちょっと用事できた」


俺はバイクを走らせてその車を追った。だって、その女の子が花莉だったから。


あいつの親父が暴力を奮うこと、あいつの兄貴が無理矢理援交をさせること、俺は全部知っている。


だから放っておけるわけなんてなかった。



信号で止まったら、車がどんどん進んで行って…やがて見えなくなった。


「くそっ!!!」


そこからは周辺をバイクで走って、やっと車を見つけたと思った時にはもう車内には誰もいない。



無事でいて………



ただ祈ることしかできない。



路地裏に入ったら、花莉と気持ち悪いおっさんがいた。しかも花莉は無抵抗で、制服を脱がされていて…



…抵抗くらいしろよ……!!