姫芽たちがいなくなった今。

私は百合と二人きりになってしまった。


ふう……。

私は一度深く息を吐き、呼吸を整える。

姫芽の前では、常にイケナイ妄想しているから、身が持たない……。

心臓も暴れて大変なんだ。


「ふう……」

「あら?だいぶ思い悩んでるようね、琴子」

「……なんで分かるの?」

「あなたの顔を見ていればだいたいわかるわ」

「はは……百合には適わないね、全く」

「それで?何をそんなに悩んでるのかしら?」

ジャスミンティーを飲みながら、百合が聞いてくる。