「マナ、復讐って、具体的に何をするの?」

柵に持たれかかり、私は早速本題に入った。

あの人達に復讐する、ということが頭の中を埋め尽くす。

今の私には、それしか考えられない。

隣のマナはというと、私の問いかけに対しクスクスと笑って返した。

余裕なのかなんなのかが、分からない態度に、少しイライラする。

その事に気付いたのか、更に笑う。

私は、そんな態度のマナに怒るどころかホッコリしていた。

何でだろう。

マナといると、不思議と心が穏やかになる。

「そうそう、復讐についてね。」

笑いがおさまったマナが、私の問いに答える。

「復讐はね、あの人達を殺すの。」

やっぱり。

復讐と聞いて、まず思い付くのが殺人だ。

私の場合も例外ではない。

「でもね、物理的には殺さない。」

「えっ。」

思わずでてしまった言葉。

物理的には殺さない、ならどうやって?

「殺すのは、社会的によ。」

なるほど。

つまり、私達はやり方さえ間違えなければ、罪を被らなくていい。

安全な方法。

だけど、物理的に殺すより難しい。

情報や、何より捕まえられないやり方を考える必要がある。

「その為には、やらなければならない事が沢山ある。」

マナは真剣な顔をして、私に言う。

「決行は、最短で体育祭。最悪、文化祭よ。それまでに早く準備ができれば決行するわ。」

私はしっかりうなずいた。

「明日、4時間目が終わったらここに来て。弁当も忘れずに。」

「うん。」

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、私達は屋上を後にした。