「それでさ~」

「分かる、それな。」

近くで騒いでいる3人が、遠くに思える。

学校からの帰り道。

今日も孤独な毎日が続く。

一緒に帰っているはずなのに、1人で帰っているみたい。

全てが変わったのは、あの日。

4月7日、入学式だ。

私たち仲良し4人組、菜結子(なゆこ)、美琴(みこと)、雛(ひな)、そして私は、地元の公立中へ入学した。

クラス分けの、掲示板。

4人一緒がいいね、などと話していざ見ると私以外皆一緒。

他の3人も、すごく残念がっていたけど、「教室行くね。」「皆で一緒に帰ろう。」「大丈夫。」と、声をかけられ、私も、少し元気になった。

だけど、3人の言ったことは、少しもその通りには、ならなかった。

教室へは、私が行ってるし、皆で帰るのも久しぶり。少しも大丈夫じゃない。

私と、他の3人との間には、壁ができた。

高くて、少しの努力じゃ、登れない壁。

クラスが違うから、話題も全く合わない。

私が話そうとすると、さらに盛り上がる。

すっかり腫れ物扱い。

私に話題が振られることは、天地がひっくり返ってもあり得ない。

お母さんとお父さんには、仲良くやっていると言っている。

まぁ、そもそもあんまり話さないんだけど。

2人とも、共働きで、帰ってけるのは、いつも深夜だ。

たまに、帰ってくるときは、笑顔で振るまってるし、そのせいか、2人とも大丈夫だと思っているみたい。

大人って、意外と簡単なのかも。