ケータイ小説 野いちご

闇に溺れて、秘密のキスを。

エピローグ




お兄ちゃんは一時的に神田組に捕らえられ、組長といくつか話をしたらしく。

血は繋がらなくとも私の兄だからという理由もあってか、何事もなかったかのように解放されたようだった。


ただしそれには条件がつけられていたようだ。

【龍崎組を解散すること】
【この地から離れること】


そのためお兄ちゃんが家に帰ってくることはなく、私には手紙が残されていた。

ただし私が学校へ行っている間に、両親に会って話をしたようで。


その日家に帰ると両親は泣いており、私はすべて説明された。


『お兄ちゃんとは血が繋がっていなかった』こと。

『本当の父親は現在服役中で母親は自殺したけれど、お兄ちゃんは父親が釈放されてから一緒に住むために父親の元へ行った』のだと。


それからは平穏な日々は返ってきて、宮橋先生の容体も落ち着いたようで。


二週間が経ったある日のこと───


「……失礼します」
「おっ、噂をすれば」

「え?」


今日は学校帰りに宮木さんに送ってもらい、神田くんが入院している病院までやってきた私。

病室に入れば涼雅くんもいて、私を見るなりニヤニヤと笑みを浮かべている。



「……涼雅く」
「白野さん」


涼雅くんの名前を呼ぼうとしたら、それを遮るかのように───



ベッドの上で上体を起こしている神田くんが私の名前を呼んだ。


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