わたしが『友達だと思ったことは一度もない』って言ったのは、どんどん前に進んでいく慎太郎に追いつけないと思ったから。
わたしが隣に並んでいいはずがないと思ったから、友達と呼ぶのは、おこがましいと思ったからだよ。
慎太郎はわたしにはキラキラとまぶしすぎたの。
嫌いなんかじゃない。嫌いなはずないじゃん。
ホームボタンを押すと画面が最新のつぶやきまでスクロールされていき、リアルタイムのシンタローのつぶやきが目に入った。
《あいつ、大丈夫かなぁ。熱、下がった?》
どんな顔でこの文字を打っているのかが安易に想像できる。慎太郎の優しさがそこに滲み出ていた。
「バカ、だよ。なんで……っ」
だってどう考えても、わたしのことを言ってるとしか思えない。
慎太郎に嫌われているわけじゃなかった。
その事実に心が震える。
でもこのままだと、明日確実に嫌われる。
幻滅される。軽蔑される。
まだ間に合うのなら、わたしは……慎太郎に嫌われたくない。