『そろそろ…か』
私はお気に入りの黒くてシックな大人びた雰囲気の腕時計を見てそう言う。
時計の針は、引っ越し業者の来る予定の時間を丁度、指した所だった。
すると…
『ピンポーン!』
『引っ越し業者の○▲でーす!』
と、玄関のドアの奥から、引っ越し業者の人の声が聞こえた。
『はーい!』
私は返事をしてドアを開ける。
『赤羽様ですね!今日は、よろしくお願いします!』
ドアの目の前に立っていたのは引っ越し業者の服を着た明るそうな女の人だった。
『はい!こちらこそよろしくお願いします!』
思わずつられて笑顔で私も返事をする。