目を覚ましたらそこは草原でした。

「ここはいったいどこなんだろう?」

女の子は腰まで伸びた長い髪をたなびかせて
小さくつぶやきました。

すみれ色のワンピースから
女の子のスラリと伸びた長い手足が
のぞいています。

女の子というよりは少女と
言った方がいいでしょうか?

女の子はつぶらな瞳をさらに大きく見開いて
女の子は世界を見つめています。

不思議です。
女の子にはどうして自分が

ここにいるのか
さっぱりわかりません。

青い空。
白い雲。

自分の膝くらい高さの
青々とした草が

そよ風に吹かれて
右へ左へと
たなびいています。


平和。平穏。
そして
とても美しい世界に


女の子は一人で
立っていました。