日にちが過ぎるのは早く、あっという間に夏休みに入った。
夏休みという長期の休みに入ってしまうと、凪くんに会うことができないはずだったのに、これから補習という名目で週三日だけ会うことができる。
不謹慎かもしれないけど、補習の対象になってよかったと思ってしまった。
そして今日は、さっそく補習の初日。
補習の時間は午前十時から午後の二時まで。
お昼に一時間休憩を挟んでいいことになっている。
浮かれた気分のまま家を出て学校に向かい、
教室に着いたのは午前九時四十五分。
誰もいない教室は閉めきられていたせいで、蒸し暑い。
すぐに窓を全開にして、教室に風を通す。
窓から入ってくる心地いい風が、
カーテンを揺らした。
「楽しみだなぁ……」
窓のそばに立って外を見ながら、自然と口元が緩んでしまう。
勉強は嫌いだけど、凪くんと一緒だったら頑張れる気がするから。